リワーク機ってなに?
リワーク機とはBGA(LSIの種類です。基板との接続ポイントが裏面にあって半田ごてで実装することが出来ません。)を実装したり、外したりするのに用いる専用機です。
工房やまだで所有しているリワーク機は簡単に図にするとこんな感じです。
どうにか工夫すればリワーク機でなくてもBGAの取り付け取り外しは出来ますが、リワーク機が優れているポイントがいくつかあります。
①、基板の部品面、半田面両面から加熱できる。
②、加熱の温度管理が出来る。
③、基板とBGAの位置合わせができる。
です。
上の図の左部分が加熱に用いる部分。
リフローユニットのノズルはBGAの大きさにあわせて変える事ができ、
BGA部分のみを効果的に加熱できます。
下からはボトムヒーターで基板全体を加熱します。
右部分が位置合わせのための部分です。
ひとつひとつの細かい説明は後回しにして、GPU取り外しの説明に進みましょう。
GPU取り外し
取り外すためには、アンダーフィルを除去した基板を加熱するわけですが、
まだ準備が必要です。
GPUを取り外す為にはGPUと基板をつないでいる半田ボールを溶かさなくてはいけません。
現在作られているPCに使われている半田はPbフリー半田という種類の半田で融点は220℃程。
GPUと基板の間にある半田を220℃程まで加熱しなければならない為、
リフローユニットから吹き出す空気の温度は250℃を超えます。場合によっては280℃程。
その為周りの部品に悪影響が出ないように養生する必要があります。
GPUの直ぐ隣のコネクタは非常に高温の風にさらされるので覆いをしています。
網のようなものに乗せているのは、
PCのマザーボードの周囲はDCジャックやLAN端子やUSB端子等色々な部品が付いていて
リワーク機の台座で挟みにくいからです。
スペースがあってしっかり押さえられる場合にはなるべく使いません。
BGA交換の際には表面と裏面の両面から温度を掛けないといけないので、
網がある分ボトムヒータからの熱が基板に伝わりにくくなってしまいます。
そして、実際に熱を加える前にフラックスを基板とGPUの間に流し込みます。
これでようやく取り外しです。
分かりやすく図にするとこんな感じです。
熱をかけてGPU裏面の半田ボールの温度が全て融点を超えたら外すことができます。
取り外したばかりの状態。左がGPU、右が基板です。
半田残滓を除去して基板をきれいにします。
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