今回ご紹介する事例は札幌市のCMS SAPPORO様よりお預かりした
パソコンのGPU接続不良の基板です。
GPUリボール再実装
*画像クリックで拡大します。
如何でしょうか?
左と中央の2枚ではメーカーロゴとWindowsのロゴが3重になってしまってますね。
右のでは文字がぐちゃぐちゃです。
弊社はPC不良の診断はできませんが
修理業者様で基板とGPUの接続不良だと診断されて
工房やまだにGPUリボール再実装のご依頼を頂きました。
*接続不良とは基板とGPUを繋いでいる半田ボールに、
通常動作内での熱の上昇でクラック(半田ボールへの亀裂)が入り、
接続が悪くなったしまう不良です。
基板のみの状態で送って頂いたのですが、
こんな基板です。
赤丸が問題のGPU。
GPUはAMDのRADEON。
半田不良が発生しやすいGPUのようです。
コーナーボンド除去
左がお預かりしたそのままの状態。
右がGPUの周りにぐるっと塗られているコーナーボンドを除去した後の状態。
このコーナーボンドはなかなか強力で簡単には剥がせません。
ボンド除去剤も効果が薄いものですのでホットエアーでゆるく加熱しながら
剥がしていきます。
もちろんこの作業前には60度で24h以上のベーキングをしています。
GPU取り外し
十分ベーキングして、コーナーボンドを除去した基板。
それを加熱してGPUを取り外します。
リワーク機にセットして基板裏面からは全体的な加熱。
GPUのある表面からはGPUの大きさに合った局所的な加熱。
取り外した後、
基板に残った半田を除去します。
リワーク機で加熱した直後の
まだ暖かいうちに
網線で半田を吸い取って行きます。
ここで綺麗にしておかないと
実装する時に半田がのらなくなります。
GPUリボール
取り外したGPUの半田を除去します。
基板は冷えてしまうと半田を除去し難くなりますが、
GPUは冷えても半田除去がし易いため、
基板→GPUの順に半田の除去を行います。
GPU再実装
最後の手順。GPUの再実装です。
実装にあたり、基板のパットとGPUの半田ボールとの位置決めです。
左の写真は基板のみを写した写真、
右の写真は基板とGPUの両方を写した写真です。
右のような画像を見ながらパットと半田ボールがぴったり重なるように位置決めします。
取り外しと同様、加熱をして半田ボールを溶かし、実装。
再実装したGPUを横からみるとこのような感じです。
半田ボールが規則的に並んでいるのがわかりますね。
X線で半田ボールの確認をします。
ボールの位置、大きさ、形状
共に問題なしです。
結果
修理業者様にリボール再実装した基板をお送りして、
動作の確認をして頂きます。
GPU接続不良が改善されて、画面表示が変になっていたのが直っています。
これで修理完了です!
GPU不良、GPU接続不良の修理ご依頼は
プリント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!
TEL:0238-22-0771
FAX:0238-26-2361
Email:info@koboyamada.jp
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