SOP部品の取り外し
なかなか忙しくて久しぶりのブログ更新になってしまいました。
今回は工房やまだで行っているSOPの取り外し方法のご紹介です。
部品取り外しの基本は
「部品と基板を繋ぐ半田を全て溶かす」
です。
工房やまだではSOPをリワーク機で加熱して取り外します。
リワーク機では基板の裏面から基板全体を加熱し、
表面から部品全体を加熱することで安全に部品取り外しが可能です。
(もちろん高い技術と豊富な経験が必要ですが)
よくある悪いSOP取り外し方法
よくあるHPに掲載されていたり、YOUTUBEで公開されている動画では
①SOPの端子2列の片方をホットエアーで加熱して半田を溶かし、部品の一方を浮かせる。
②もう一方の端子の列を加熱してSOPと取り外す。
といった方法を紹介していたりしますが、
この方法はお勧めできません!
どの部分が悪いかというと
「ホットエアーで加熱」
と
「部品を浮かせる」
です。
悪い方法が悪い理由
①ホットエアーでの加熱をお勧めしない理由
それは均一に加熱しにくいから!です。
全ての端子の半田が溶けていればあまり問題はありません。
しかし、均一に加熱できないと半田が溶けた場所と溶けていない場所が出来ていて
その状態で基板からSOPを取ろうとすると
SOPのリードと基板のパットに物理的なストレスが掛かります。
SOPのリードが曲がったり、最悪パットが剥がれたりしてしまいます。
SOPを取り外したい時には基板を再使用する場合が多いでしょうから
パットの剥がれは一大事です。(そんな場合は工房やまだに駆け込んでください!)
* もちろん部品のサイズが小さい等問題なく使える場合には
工房やまだでもホットエアーを使ったり、半田ごてを使ったりしています。
②部品を浮かせる事をお勧めしない理由
こちらも同様。物理的なストレスが掛かるから!です。
SOPを再使用する場合にこのようなSOPの足にストレスが掛かるような作業はご法度です。
もし折れてしまった場合には再使用はかなりの手間と高いリスクが伴います。
(そんな時には工房やまだまで!)
工房やまだのSOP取り外し
それでは少し詳しい動画内容のご紹介です。
手順は3つに分かれます。
① フラックス塗布
当たり前の作業ではありますが、半田加熱前にはフラックスを塗布します。
これを怠ると作業性が全く変わってしまいます。
② SOP取り外し
このSOP取り外しのキモですね。
基板の裏面からは基板全体を加熱、表面から部品を加熱することで
SOPの端子の半田を一度に溶かします。
ポイントは半田が溶けていることを目視で確認しているところです。
具体的には今回の場合には
基板のパットやSOPの足にストレスが掛からない程度の僅かな力を
横から掛けて半田が溶けているかを確認しています。
このように確実に半田が溶けていることを確認した上で部品を取らないとやはり心配ですね。
③ 基板の半田除去
最後に基板のパット上に残った半田を除去して終了です。
網線(半田吸い取り線)で丁寧に力を加えずに半田を吸い取り
パットを洗浄します。
これで新しいSOPを実装することが出来ます。
もし実装されているSOPを再利用するためにはSOPの半田除去も行わないといけませんね。
如何だったでしょうか。
何かのご参考になれば幸いです。
プリント基板の改造は工房やまだまで!!
TEL:0238-22-0771
FAX:0238-26-2361
Email:info@koboyamada.jp
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