工房やまだでは毎日多種多様なお客様より様々なご依頼を頂いております。
今回もその一つをご紹介させて頂きたいと思います。
DELL INSPIRON 11ZのCPU改造
上の写真が今回の改造する基板。
DELLのノートパソコンINSPIRON 11z(Insiron1110)のマザーボードに付いている
ドーターカードです。
このドーターカードにCPUやらメモリやらのメインの部分があり、
このCPUを交換します。(写真の赤矢印のチップですね。)
Celeron1.3→Core2Duo1.6
このCPUは元々Celeron1.3だそうです。
それをCore2Duo1.6に変更するのが
今回の改造の目的。
果たしてBIOS、OSでCore2Duoだということを認識するのか?
動作周波数は1.6MHzで駆動するのか?
やってみないと分からないというご依頼です。
いいですよねー!実験的なものは大好きです!
CPU取り外しと実装
さて、実際の作業です。
① ベーキング
作業前に忘れちゃいけないベーキング。
これをしっかりやらないと訳の分からない問題が溢れることになります。
しっかり24時間行い基板、CPU内の水分除去を行います。
② コーナーボンド除去
CPUの4つ角に半透明のボンドが付いています。
それがコーナーボンドです。
ノートパソコンのBGA型チップには大抵ボンドが付いていて衝撃に備えています。
このボンドはCPUを取り外す際には邪魔になってしまうので除去。
専用の除去剤で剥がします。
③ リワーク機でのCPU取り外し
ここが今回の作業の山場1ですね。
まず基板にストレスをなるべく与えずにCPUを取り外すことが、
後々うまく実装できるかに繋がってきます。
こちらがCPUのCeleron1.3を取り外した後の基板のパットです。
半田ボールの残りを綺麗に除去し洗浄しています。
④ リワーク機でのCPU実装
さて、最後は新しいCPU、Core2Duo1.6の実装です。
ここが最大の山場ですね。
下準備としては
①基板のパットにフラックスを塗る。
②CPUの半田ボール部分にクリーム半田を塗る。
の2つです。
特に②は重要かつ工房やまだの技術の最もシークレットな部分ですね。
詳しくはBGA/CSP交換、実装のページをご覧いただければと思います。
更に気をつけないといけない部分は無数にあります。
基板は熱を加えると「反り」が生じてしまいますので、
CPUの半田ボールが一部基板に接触しないという事も有り得ます。
加熱のしすぎで半田ボールが潰れすぎて、
隣あった半田ボールがくっつく(ショート)してしまうかも知れません。
色々なリスクをクリアして綺麗に実装できるのは経験以外の何でもありません。
⑤ 結果
まず実装が成功したかどうかの確認です。
これはX線にて半田ボールの状態を見て確認しています。
規則的に並んでいる灰色の丸がCPUと基板を繋いでいる半田ボールです。
この半田ボールの位置、形状、大きさ、色の濃さに問題が見られない為、
実装は概ね問題なしと判断してご依頼主様にお返しします。
(他の黒い長方形はCPUの表面に付いているコンデンサや、基板の裏面に付いている各種チップ部品です。)
後は実際にどのような挙動になるのかドキドキしながら待つ訳です。
後日、ご依頼主様が起動させた結果を送って下さいました。
上のスクリーンショットで分かると思いますが、きちんとCore2Duoを認識しています。
低電圧高性能のCPUに変更出来たと言うことでお喜びの声を頂くことが出来ました。
工房やまだとしても嬉しい限りです。
このようなご自分で出来ない改造のお問い合わせは
プリント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!!
TEL:0238-22-0771
FAX:0238-26-2361
Email:info@koboyamada
コメントをお書きください
つじ (木曜日, 08 11月 2012 06:20)
このCPU張り替えで工賃のおいくら位ですか??
株式会社工房やまだ (金曜日, 09 11月 2012 10:09)
つじ様
大変申し訳ございませんがこの件について、ホームページ上で金額のご提示はしておりませんのでお問い合わせ頂ければと思います。
お手数かとは思いますがよろしくお願いいたします。
TEL:0238-22-0771
Email:info@koboyamada.jp
u=6317 (月曜日, 22 4月 2013 00:54)
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