今回の事例紹介です。
車のコンピュータ基板の損傷を修理して欲しいとのご依頼がありました。
作業中に配線を断線させてしまったので修復して欲しいとのことです。
車のコンピュータ基板修理のお見積もり
メールに添付して頂いた該当箇所の写真です。
どうも基板表面がえぐれているみたいですね。
恐らくパターンも何本か削れて無くなっている上に、
その内1本はBGAに繋がっているような…
嫌な予感ですね。
普通のパターン断線なら通常のジャンパ配線で修復可能ですが、
BGAが絡んでいるとBGAジャンパをしなきゃいけないかも知れない…
とりあえず外観写真のみでは分からない部分が多いので基板を送っていただくことに。
実物の基板を見てのお見積もり
お伝えできませんが、ヨーロッパ系の自動車メーカのロゴが入ったケース。
空けてみると基板を見てみるとなんとBGAが外れている!!
詳しくお客様にお伺いすると知り合いに修理を頼んだけれどもBGAをどうしようも出来ないため弊社にご依頼されたということでした。
その業者さんがどのようにBGAの取り外しをしたか分からないので、BGAが死んでいるリスクがあることをお伝えした上でお見積もりをスタート。
とりあえず基板の洗浄と半田除去をして状況を確認します。
詳しく見て作業内容が決まりました。
左下と右下のパット剥がれはどこにも接続していないパットなので剥がれていても問題なしです。
右下のパット浮きは手荒なことをするとそのまま剥がれてしまいかねない為注意が必要ですが動作には影響ないでしょう。
問題は左上と右上です。
左上は元々問題になっていた基板のえぐれに加えて半田ごてで触った際にビアの表面を削ってしまったのでしょう。
右上のパット剥がれも別の業者さんでBGAの取り外しをした際に失敗して剥がしたもの。
これは大修理になりそうです。
作業計画
頂いた資料から元々の配線を予想します。
修正が必要な配線は4本。
上の配線①はBGAに接続するパットからの配線なのでBGAジャンパを行います。
接続先はコンデンサのパットです。
配線②も同様にBGAに接続するパットからの配線ですが、どこにも繋がっていません。
しかし今後使用する端子のようなので配線だけ出す必要があります。
これもBGAジャンパ配線を行います。
配線③はビアからビアへのジャンパ配線です。
以上の作業計画から作った作業内容な次のようなものです。
作業1、BGAの半田残滓を除去しリボールする。
作業2、配線③をジャンパ配線する。
作業3、リボールしたBGAから配線①、②、④のジャンパ配線を引き出す。
作業4、配線3本を出したBGAを基板に実装する。
作業5、全ての配線をボンド付けして固定する。
以上の作業内容のお見積もりをしてお客様にご了解を得ました。
作業開始です。
それでは長くなってしまったので実際の作業は次回にまわします。
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カーセンター守富 (土曜日, 07 9月 2013 22:27)
ダイハツアトレーのパワステアリングCPですが、この夏暑くなれば作動します
CPUの検査などテスト出来るのでしょうか?宜しくお願いいたします。
岸野俊司 (水曜日, 27 11月 2024 10:47)
スズキキャリイーDA63-Tスピードメーター基盤修理お願い致します。少し基盤焼いてしまいました。大丈夫でしょうか?