DELL PrecisionM6600 GPU半田クラック修理

 

 画面表示がおかしくなってしまった、DELL PrecisionM6600の修理です。

 

 下の画像にある通り、画面が市松文様のような感じになってしまっています。

 

 

 こちらは個人のお客様よりお受付致しました。

 

 お客様の方いろいろと原因をお調べ頂き、グラフィックカード異常だと判断されました。

 

 工房やまだでGPUリボール再実装作業を行い修理していきます。

 

 

GPU半田クラックによる画面表示不良

GPU半田クラックのリボール再実装修理

 

 作業手順です。

 

 ①グラフィックカード単品に分解する。

 

 ②基板をベーキングする。

 

 ③基板からGPUを取り外す。

 

 ④取り外したGPUにリボールする。

 

 ⑤リボールしたGPUを基板に実装する。

 

 ⑥X線で検査する。

 

 ⑦簡易動作確認を行う。

 

 以上です。

 

 

①グラフィックカード単品に分解する。

 

 今回のPC、DELL PrecisionM6600はGPUがグラフィックカードとして別になっています。

 

お送り頂いた状態

 

 リボール再実装作業後に簡易的に動作の確認を行うので

 CPU、メモリ、LCD等の動作確認に必要な物を付けてお送り頂きました。

 

 HDDやキーボード等も破損させては元も子もないので取り外して頂きました。

 ACアダプタもこちらの機種は弊社で代替品があるので不要です。

 

 この状態から分解してグラフィックカード単品にします。

 

DELL PrecisionM6600 グラフィックカード

②基板をベーキングする。

 

 基板単品になったので、ベーキングをします。

 

 ベーキングとは基板の乾燥のこと。

 

 一定の温度、湿度で一定時間保管することで基板の吸着した水分を飛ばします。

 

 水分が含まれたまま加熱をすると膨張してチップの内部破壊が起きる場合も。

 

 しっかり行わないといけません。

 

 

③基板からGPUを取り外す。

 

 リワークシステムを用いて基板、GPUを加熱して半田を溶かし、

 GPUを取り外します。

 

 リワークシステムを用いることで、基板の両面から加熱することができるので

 効率良く半田が温まります。

 

 ホットエアー等で加熱しようとするとGPUの半田ボール全てが融点に達するまでに

 相当高温を長時間当てないといけませんが、

 リワークシステムなら半田の融点219度より少し高い位の温度で取り外すことが可能です。

 

 GPUは結構デリケートな部品ですのであまり高熱を当てると内部破壊の可能性があります。

 

基板からGPUを取り外す

 

 GPUを取り外した後に、基板のパットの半田を除去します。

 

 この半田の取り方一つで後の実装の成功率に影響してきます。

 

 

④取り外したGPUにリボールする。

 

 取り外したGPUの半田ボールの残りを除去し、新しい半田ボールを載せていきます。

 

 載せるボールは半田クラックの起こしにくい共晶半田に変更します。

 

 写真撮影を忘れてしまいました…

 

 

⑤リボールしたGPUを基板に実装する。

 

 リボールしたGPUをリワークシステムで基板に実装します。

 

 GPU取り外しよりも遥かに高い難易度です。

 

 このノウハウはお教えできません。

 

リボールしたGPUを基板に実装する

⑥X線検査を行う

DELL PrecisionM6600 GPU X線検査

 

 実装終了後に、X線検査装置で半田の検査をします。

 

 この検査写真の見方ですが、

 

 黒い丸が基板とGPUを繋ぐ半田ボールです。

 この規則的に並んでいる半田ボールの位置、大きさ、形状、色の濃さが問題無いので

 ブリッジ等の問題は無いと判断しました。

 

 ちなみに所々にある黒い長方形は基板の裏やGPUの表面にあるコンデンサ等の部品です。

 四辺が濃くなっているのはGPUに放熱板が貼ってあるからですね。

 

 

⑦簡易検査を行う

 

 最後に、基板をお預かりしているPC本体に組み込んで

 動作確認を行います。

 

 CPU、メモリ、LCDが繋がった状態で電源を入れてメーカーのロゴ等の表示が出るかを確認します。

 

 無事表示が出ましたが、もしここで問題があれば再加熱等の対処をとることが出来ます。

 

DELL PrecisionM6600 修理後の画面表示

 

 工房やまだではこの表示確認ができれば修理終了。お客様にご返却します。

 

 一般的なPCの修理業者さんではこの後、HDDをつないでストレステスト等を行ったり、

 様々な条件で動作に問題が無いか確認をしている様ですが、

 弊社では、出来るだけ低価格で作業するため基板内の作業のみに限定して行っております。

 

 ご了解頂ければと思います。

 

 

 GPUの半田クラックの主要な原因は、

 最近のPCの半田が割れやすい半田ボールを使用しているため、

 熱ストレスや物理的ストレスに耐え切れなくなることだと考えられます。

 工房やまだのGPUリボール再実装では半田を割れにくい種類に変更しております。

 

 それでも再発が完全に無くなるわけではないですが、

 リフローして半田を再融解してクラックを補修する方法より再発率は低いようです。

 

 パソコンのGPU半田クラックによる不良の修理は

 プリント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!

 TEL:0238-22-0771(平日8:30~17:30)

 FAX:0238-26-2361

 Email:info@koboyamada.jp

 お問い合わせ 

 

 

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コメント: 3
  • #1

    田中 (月曜日, 17 6月 2019 12:28)

    GTX Titanのリボールの料金はどのくらいになりますか?

  • #2

    工房やまだ (火曜日, 27 8月 2019 13:05)

    ご返信遅れてしまい申し訳ございません。
    メールでお問合せいただければご案内させていただきます。

  • #3

    近藤 治 (土曜日, 25 7月 2020 18:42)

    ノートパソコン レノボ t470s マザーボードのオンボードメモリーが故障して困っております。オンボード8GB です。修理は可能でしょうか? 又、費用はいくらぐらいでしょうか?

    ご連絡頂ければ幸いです。