今回は少し珍しい事例がありましたのでご紹介いたします。
ご依頼は、BGAのリワーク等でお取引のある企業の担当者さんからでした。
BGAのブリッジがあり、再実装か交換を検討されているということでした。
費用的には
再実装=取り外し+BGAリボール+実装
交換 =取り外し+実装
ということで、交換の方がリボールが無い分安く済むため、交換作業に。
BGAブリッジが起きた理由
ブリッジが起きているということでしたので、
その原因を調べるべく、届いた基板にX線検査を行います。
その結果がこちら。
格子状に並んでいるのがBGAと基板を接続している半田ボール。
その他の長方形は基板裏面のコンデンサ等のチップ部品です。
はっきりとした異常があるのがわかります。
少し解説していきましょう。
まずわかりやすいのが、ブリッジ。
赤い丸の2カ所が隣のボールとくっついてしまったブリッジです。
よく見るとわかるのがボールの大きさです。
BGAの四隅のボールは普通の大きさなのですが、
青丸で囲んだあたりのボールはそれよりも少し大きくなっています。
更に、紫の丸で囲んだ二つは小さいボールになっています。
ブリッジとボールの大きさ、これは何を表すのでしょうか。
いつもの断面図
大きなボール、小さなボール、ブリッジがこんな感じになっています。
しかし、半田の量は変わらないはず。
ボールがいきなり大きくなったり小さくなったりはしません。
ボールが大きいという事は潰れているという事。
つまり、こういう事です。
何らかの理由でBGAが膨れてしまい、加熱中の融けた半田ボールを圧迫。
大きなボールは、押されて潰れ大きく見えるようになった箇所。
小さなボールは、潰れすぎて逃げて半田が少なくなった箇所。
ブリッジは、逃げてきた半田が付着し隣と合わせて一体化した箇所。
この様に考えられます。
さて、この考えは当たっているのか?!
BGAの交換作業
BGAを取り外すと答えが見えてきます。
取り外し後のBGA。
まだ半田がパッドに残って付いています。
ちょっと、膨れてる?
半田を除去した後。
なんとかわかりやすいように色々と写真を撮ってみましたが、
これが限界でした。
肉眼で見るとBGAの中央付近が膨れているのがはっきりわかります。
やはり、
BGA自体が実装中に膨れてしまい半田の異常が起きた、と考えられます。
工房やまだではリワークの作業だけではなく、
問題の原因を突き止め、対策のアドバイスもしています。
それも日々様々なお客様から、様々なリワークのご依頼を受けて
豊富な経験があるからです。
BGAリワークは経験豊富な工房やまだまで!
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