2012年のブログ記事一覧③
2012年
12月
25日
火
mac mini(late 2009)コネクタ小基板改造
Mac mini late 2009 小基板コネクタ改造
今回の改造はMac mini late2009のマザーボードとHDD、DVDドライブを接続する小基板です。
お客様の目的としては…
HDDの容量アップを図りたい
↓
サイズが大きくなってDVDドライブと干渉する
↓
DVDドライブのslimlineSATAコネクタを取り外し、
代わりにフレキシブルに動かせるSATAコネクタにしてSSDを取り付ける。
というわけです。
それでは改造作業です!
左の写真が表側。
下のコネクタがHDD用のSATAコネクタ。
上のコネクタが今回改造するslimlineSATAコネクタ。
基板を突き抜けて裏面で基板に実装されています。
交換するコネクタはこちらのもの。
slimlineSATAを取り外し通常のSATA端子に変更するのですが、
お客様にご指定頂いた端子ピンの変更は以下の様。
このように配線を行い、端子の変更と延長を行います。
slimlineSATAコネクタ取り外し
まずは小基板からslimlineSATAコネクタの取り外しを行います。
SATA端子加工、配線
次に取り付けるSATAコネクタの加工です。
SATAコネクタの端子はプラスチックで覆われており、半田付けが難しいので加工します。
目的の端子の部分のプラスチックを削って端子を露出させます。
左が加工前、右が加工後。
SATAコネクタ ジャンパ配線
加工したSATAコネクタにジャンパ配線をしていきます。
一本一本端子にジュンフロン線を半田付け。
小基板にも配線します。
結果
完了です。
ちなみにこのMac miniのマザーボードのCPUも弊社で別のCPUに交換しております。
取り外すCPUはBGAタイプなのですが取り付けたCPUはPGA!
(ソケットに挿入するピンが並んでいるタイプのチップ)
ピンを全て半田ボールに変更して実装するという荒業をやってのけたということです。
(広報担当がまだ在籍していませんでした。写真等も残念ながらございません。)
正常に動作をしており今回のさらなる改造につながりました。
このような様々な改造ご依頼にも工房やまだはご対応していきます。
プリント基板でお悩みなら プリント基板の駆け込み寺 工房やまだ!
TEL:0238-22-0771
FAX:0238-26-2361
Email:info@koboyamada.jp
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2012年
11月
12日
月
Macbook Air(11-inch, mid 2012)-CPU交換改造
今年2012年6月に発売されたMacBook Air(11-inchi,mid 2012)の改造です!
改造内容はCPUの交換。
元々のCPUはIntel Core i5(1.7GHz)でしたが、こちらをIntel Core i7(2.1GHz)に交換します。
当然CPUはソケット式ではなく、直接基板に実装されているタイプですので、
弊社のBGA交換ということになります。
CPU交換
これがマザーボードです。
Appleの基板はレジストが黒くてかっこいいですね。
(全体が真っ黒すぎてパターンがどこ走ってるのか非常にわかりにくい問題もありますが。)
この基板に実装されているCPUを交換していきます。
CPU取り外し
これがCPUです。
4角に付いているのがアンダーフィルです。
落下等の衝撃があると基板とCPUの間の半田ボールに割れが入ったりして悪影響があるのですが、
このアンダーフィルで軽減しているんですね。
しかし、これがあるとこのCPUを取り外すことができないので特殊な溶液で除去します。
その後、リワークシステムでCPU部分を加熱して半田を溶かし取り外します。
左の写真がCPUを取り外した後の基板です。
右の写真が取り外したCPU(Intel Core i5)です。
問題なく取り外しができました。
CPU実装
さて、これが今回実装するCPU、Intel Core i7(2.1GHz)です。
これを実装していきます。
↑上記訂正。これ元々のCPUの取り外した後の写真です。
すいません交換するCPUの単品の写真取り忘れました。
基板、CPUにクリーム半田を塗り位置決めして搭載します。
そしてリワークシステムで加熱。
外観上も、X線での検査でも問題ないようです。
CPU交換の結果
上の画像をクリックして拡大していただけるとわかると思いますが、
きちんとプロセッサのところが2.1GHzのIntel Core i7になっているのがわかると思います。
お客様にも
「最大負荷でもさほど熱くならず、余計な冷却が不要で順調です」
とお喜びの声を頂きました。
ありがとうございます。
パソコンのオンボードCPUの改造は
プリント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!
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追記(注意事項)
こちらの作業のお問い合わせを多く頂いております。
注意事項がいくつか御座いますので
お問い合わせ頂く前にご確認をお願い致します。
① 交換するCPUの選定、手配はいたしません。
工房やまだではお客様のMacにどんなCPUが使用できるか選定できません。
CPUのタイプがBGAであるか、ピン数ピン配列は正しいか、
適合しているか等は分かりかねますのでご自身でご確認ください。
またCPUの手配も基本的には出来ません。ご自身で入手をお願い致します。
交換するCPUですが、単品の状態が望ましいです。
他の基板から取り外して使用することも可能ですが
②で記載するCPU破損のリスクが高まります。
② 交換にはリスクが伴います。
BGAの交換作業にはリスクが伴います。
原因は2点。
BGAと基板とを接続する半田を溶かすための高温加熱が、
部品や基板を破損させる場合があることと、
直接手で触れない箇所の半田付けであるため修正が難しいことです。
更には①で書いたようにCPUがソフトで弾かれる可能性も御座います。
これらの事から、CPUを交換して動作しない可能性はございますし、
元のCPUに戻しても正常に動作しなくなるという可能性もございます。
そしてその保障は出来かねます。
③ 動作確認はいたしません。
工房やまだではCPU交換に関して作業前後の動作の確認はいたしません。
動作確認ができる環境がありませんし、知識もありません。
基板上のCPUへの交換等作業を行う以上のことは行いません。
④ 分解、組み立て作業は行いません。
作業が必要な基板、CPUのみをお送りいただきます。
基板は可能な限り取り外せる部品を外した状態にしていただきます。
こちらで分解作業が必要な状態でお送りいただいた場合には
作業をお断りする可能性がございます。
⑤ メモリの交換について。
こちらもお問い合わせを頂きますのであわせて記載いたします。
メモリも原理的には交換可能です。
CPUと同様にメモリも手配していただければ実施はいたしますが、
CPU以上に適合するかどうかという点が問題になってきます。
また、交換するべきチップの数が多いため
費用も大きく掛かってしまいますし交換作業のリスクも御座います。
⑥ お問い合わせについて
お問い合わせ頂く際には、お客様のお名前、お電話、メールアドレスと
どこのメーカの何と言う機種を、
何のCPUから何のCPUに変えたいのか。
細かく記載の上メールをお願い致します。
⑦弊社ホームページでのご紹介について
本件の内容
(パソコンのメーカ名、機種名、弊社で撮影した写真、お客様とのメール)を
弊社のホームページにてご紹介させていただく場合がございます。
お客様の個人名等個人情報を記載するようなことは御座いません。
ご理解をお願い致します。
不掲載をご希望でしたら、ご連絡頂ければご紹介はいたしません。
以上をご理解頂いた上で、お問い合わせ頂けるようお願い致します。
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2012年
11月
05日
月
ハンディターミナル修理-CASIO DT-9000
今回はハンディターミナルの修理のご紹介です。
CASIO製のDT-9000というモデル。
今回のお客様は、販売会社でこの製品のカスタム品を購入されたそうですが、
接続するペン型スキャナとのコネクタが故障した為に弊社に修理依頼されました。
すでにメーカでは生産終了しております。修理対応もすでに終わっているのでしょう。
ハンディーターミナル修理
この機器のコネクタが故障しているということでした。
実際にどうなっているか確認します。
ハンディターミナル分解
どんどん分解していきます。
下の写真の赤丸の部分が該当の不良箇所です。
コネクタ基板とケーブルとの接続部が見事に断線していますね。
これを修理していきます。
ケーブル修復
写真を撮り忘れたので図でご説明。
まずケーブルをコネクタ基板から取り外します。
断線している部分がはっきりわかりました。
次にケーブルの芯線を保護している被膜をはがします。
コネクタ基板のパットの大きさを考慮して長さを決めて取り除きます。
最後に、ケーブルの線を加工します。
長さがまちまちなので全て揃うように切って、
パットに半田付けしやすいように先の形状を整えます。
これで完成です。
少し短くなってしまいましたが予め問題ないことを確認しています。
コネクタ基板に実装します。
実装、組み立て
修正したケーブルをコネクタ基板に半田付けし、組み立てていきます。
実はこの組み立ての際にも
ケースが破損していたり、コネクタのプラスチックが割れていたりで少し難儀でした。
とりあえず問題なく(破損していた関係でコネクタの角度を90度変更して取り付けしていますが。)
完成。
結果
電池等の一式をお送り頂いていたため、社内で起動させてみます。
が、おかしなエラーが出る…
ご依頼主に確認をとると、「中のプログラムが飛んでいる可能性が高い。」との事ですので
発送します。
後日、メーカにプログラムの書き換えを依頼して無事に動作したそうです。
依頼主様には非常にお喜び頂けました。
正常に動作している様子を写真に収めてお送り頂けましたのでご紹介させていただきます。
ハンディーターミナルの様な端末の修理も!
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2012年
10月
29日
月
車載ECU基板の修理
なかなか時間が取れず少し更新が開いてしまいました。
今回は自動車に搭載されているECUの基板修理です。
古い車の基板だと修理に出しても出来ないと断られ、交換するパーツも手に入れにくい。
そんな事態になることも多いということです。
是非修理して差し上げたいところです。
ECU基板修理
上の写真は自動車に搭載されているECU(Electronic Control Unit)です。
スチールのケースに収められていますがこの中に基板が入っています。
かなり古い自動車のユニットのようで、故障した際に交換することができず困っていたそうです。
このユニット自体が修理できるならと工房やまだにお問い合わせ頂きました。
基板はこのような感じ。
2枚の基盤がコネクタで接続されています。
じっくり外観から確認していきます。
不良箇所
外観でかなりはっきり部品が壊れているのがわかりました。
3箇所です。
①と③が電解コンデンサで、②が3端子のICです。
他にも不良部品があるかもしれませんが、
お客様と相談しこの3箇所を修復して一度動作の確認をして頂くことになりました。
もっと深く追求する事も可能ですが、検査をするにも時間、費用が掛かるため
出来るだけ早く、安くするためです。
不良箇所①
もうぱっと見で不良なのがわかりました。
リードが腐食してなくなってしまっているのです。
周辺の基板もなにやら粉が吹いたようになっていますし、
近くの部品のリードもさびて緑青化しています。
当然、基板裏面から見るとリードがすっぽりと抜けてしまっています。
電コンを取り外すと右の写真のように綺麗になりました。
不良箇所②
こちらのICも電コンと同様リードが1本腐食して途中で千切れてしまっています。
基板からも抜けていますね。
さらに、ICを取り外した後基板を確認してみると、
パットが断線していました。(写真クリックで拡大)
部品交換に加えて配線修復も必要ですね。
ジャンパ線で配線を修復しました。
さらに不良箇所①の電コンと②のICを取り付けしています。
修理終了
この後、さらに不良箇所③の液漏れの電コンを交換しました。
基板、部品ともにかなりの腐食が見られたため、綺麗にして
必要な箇所には半田をもって腐食が進行しないようにします。
これで作業は終了です。
結果
お客様に基板をお返ししました。
修理できて問題なく動いたということです。
お客様のお喜び頂けたお声を直接聞くことができるのもこの修理事業のうれしいところですね。
自動車ECU修理、注意事項のページをご覧になりお問い合わせ下さい。
自動車の基板の修理も、プリント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!
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2012年
9月
24日
月
給油機基板の修理
今回は、セルフガソリン給油所の給油機の基板の修理です。
最近、基板の修理品で色々な種類の基板を拝見する機会が多いです。
給油機基板の修理
お送り頂いた基板は上の写真の基板。
7セグのLEDの表示がおかしいとの事。
まず細かく外観の検査をしているとどうにも汚れが激しい部分を発見。
上の全体写真の赤枠の2つの部分ですね。
汚れを落として注意深く見てみると
スイッチとLEDが実装されていますが、
その周辺のビア(基板に開いた穴、金属メッキされている。)の表面に腐食が見られます。
基板の検査
更に細かく検査をしてきます。
まず、配線を確認するために邪魔になってしまうLEDとスイッチを取り外します。
スイッチ部品は足が4本でリードが基板に引っかかっていますので、取り外しに注意が必要です。
今回はリペアセンターでリード4本を同時に加熱し、半田を溶かして取り外します。
左の写真はリペアセンターでの作業前に該当の半田のみを加熱できるように
テープで養生しているところ。
右はリペアセンターでの加熱時の写真です。
この後半田ごてでLEDを取り外しました。
断線箇所1
上の写真がスイッチとLEDを取り外して配線を見やすくしたところです。
下の写真2枚がその場所をX線で撮影した写真。
左は撮影したそのままで、右は断線箇所を分かりやすく図示したもの。
赤が配線で、青いラインが断線している部分です。
断線箇所2
断線箇所1と同様に
下の写真がスイッチとLEDを外した状態。
下の写真2枚はX線で透過撮影したもの。
左は撮影した写真そのまま。
右は配線を赤で、断線した箇所を青で図示した写真です。
基板修復
不良の箇所がはっきりしたところで、その修復を始めます。
ビアのメッキは腐食してほとんど半田が付かないような状態ですが、
基板裏面は問題ないため、ジャンパ配線を挿入して基板裏面で半田付けします。
また、周辺の配線も断線しかかっている箇所があるため、そちらもジャンパ配線。
計5本を配線しました。
配線が終了したら、導通確認を取ってボンド付け。
こちらの基板は無事に動いて問題なく使用できるようになったということです。
工房やまだでは、設備の基板の修理を行っております。
最近メーカーでの修理対象期間が過ぎて修理を断られた。
そもそもメーカが破産してしまった。等のお話も多いです。
基板が故障してお困りでしたら、プリント基板の駆け込み寺 工房やまだまで!
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2012年
9月
18日
火
コネクタ部分の基板改造
工房やまだでは研究開発をされている企業、団体からの
製作中の基板の部品実装や、基板改造のご依頼を頂いて作業しております。
今回は開発中の試作基板の改造のご紹介です。
改造内容
改造内容は
基板のコネクタを実装する部分の穴径が小さく、
コネクタのピンが挿入できないため、
どうにか実装して欲しいということでした。
元々のご依頼としては
コネクタのピンを削って細くして挿入し実装することは可能かというお問い合わせでしたが、
それですと金額が高くなってしまい、基板を再制作したほうが安上がりになる為、
別の方法をご提案しました。
改造方法
まず、
オスコネクタとそれを実装する基板、メスコネクタとそれを実装する基板を用意します。
そこに丁度良い高さのスペーサーを2つ用意して、
基板にそれぞれ乗せます。
オスコネクタの高さを上げるならメスコネクタも同じだけ高くしないと、
接続した際に段差が出来てしまいます。
次に、
基板にメスコネクタとオスコネクタを挿入します。
当然オスコネクタは穴径が小さい為先が少ししか入りません。
これでオスメスを接続しても基板の高さが揃いました。
そして、
基板の半田面から半田ごてでスルーホールに半田を流し入れていきます。
確実に半田がフローアップ(半田がスルーホールを埋めて部品面まで上がってくる)
していることを確認しないといけません。
そして、スペーサーを取り除き、ボンドでより強固に固定します。
半田がきちんとフローアップしていればコネクタのリードが少ししか入っていなくても
かなりの強度なのですが、コネクタは抜き差ししてストレスが掛かりやすい場所の為
頑丈にする必要があります。
これで、費用的にも基板を再制作するより安価にコネクタの実装をすることが出来ました。
開発案件なので写真をお見せできなくて残念です。
工房やまだではお客様のご要望を実現するだけでなく、
より条件にあったご提案で開発、研究のお手伝いをさせて頂きます。
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